石油ランプは、油壷(あぶらつぼ)口金(くちがね)・火口(ひぐち)、ホヤ(火屋)、灯芯(とうしん)・心(しん)、笠(かさ)、釣金(つりかね)つるの6つの部品から組まれています。油壷は灯油を入れるガラスや金属のもので、口金は油壷に取り付け、ホヤは火をおおうガラス製の筒で形の違いと大きさがあります。点灯すると煤がつき、煤を取るのは日課であり手の小さな子供の仕事でした。灯芯は綿糸製で芯幅の違う平芯、丸芯があります。笠は紙製・ガラス製と金属製のものがあり、ガラス製には形状、色、大きさなど意匠を凝らした様々なものがあります。釣金・つるは、油壷、ホヤ、笠を組み立てる丸形または平形の鉄製フレ-ムです。
日本の洋燈(石油ランプ)の構造
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【油壺の種類】
①ガラス(硝子)製 透明・乳白色・紅色・青色などの色ガラス/切子ガラス
②金属製
硝子製は、壊れやすく火災を引き起こしやすいという理由から一時使用を禁止され金属製の油壺を推奨した時期もあったが、広く用いられたのはガラス製油壺であった。
【口金の種類】
①平芯口金 平芯ランプ用口金 火口(バ-ナ-)が一直線
②丸芯口金 丸芯ランプ用口金
③棒芯口金 棒芯ランプ用口金
【灯芯の種類】
①平芯 吊りランプ・置きランプ(平芯ランプ)に使用 綿布製
2分芯(6mm)、4分芯(12mm)、5分芯(15mm)、7分芯(21mm)、11分芯(33mm)
②丸芯(巻芯) アルガン燈・空気ランプ(丸芯ランプ)に使用 綿布製
巾4cm以上の巾広の芯を円筒状に巻き込んで丸い火口にした芯
③棒芯 棒芯ランプに使用 3mm/5mm/6mm 綿布製
④棒芯(豆心) 豆ランプに使用 1mm/2mm 綿布製
【ホヤの種類】
① 丸ホヤ 涙型ホヤ (砲弾型) 芯の幅(○分芯)に合わせてホヤのサイズが変わる
② 丸ホヤ らっきょ型 同 上
二分四ツ手ホヤ(二分芯・口金四つ爪)・五分四つ手ホヤ(五分芯・口金四つ爪)
③ 竹ホヤ 丸芯ランプ(アルガン燈)に使用する細長い円筒形ホヤ
【笠の種類】
①平笠(ひらがさ) ガラス製・紙製・金属製
②石笠(いしがさ) ガラス製 乳白色ガラス深鉢型笠
平笠・石笠は吊りランプに使用され、平芯吊りランプ・丸芯吊りランプの区別は無く、釣金(つる)の型によって平笠・石笠のいすれかが使われた。
③花笠(はながさ)・丸笠(まるがさ) ガラス製
座敷ランプ・台ランプ(丸芯ランプ)など高級ランプの部品に使用され、竹ホヤの外側を囲む装飾用笠。口金に取り付けられた真鍮円形受金具で取付。乳白色・乳白色と透明ガラス上下二分・色ガラス縞模様・唐草模様・切子細工ガラスなど多種多様な優美装飾なランプ笠
【釣金・つる の種類】
①亜鉛引鉄鉄線釣金
②真鍮製釣金
現在、フォトギャラリ-に掲載しております写真は、大門蔵内の仕分作業中のためまだ一部しかアップされておりません。作業が完了したものから順次アップして参りますので、大変に申し訳ございませんが全品掲載まではもう暫くお待ちください。
詳しくは「善光寺大門蔵
ガラス彩話②明治のあかり
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「洋燈考」の著者大谷勝治郎氏からの手紙が、先日5代目篠原基國の遺品のなかから見つかりました。大谷勝治郎氏が長野オリンピック観戦に長野に来られた際に当店のウィンドウに目を止め突然来店をされました。翌春(1999年4月)ご丁重に下さった御礼のお手紙です。
詳細はこちら
洋燈蔵 蔵書:「洋燈考」
本著「洋燈考」は、洋燈、石油ランプの歴史・種類・体系を知るうえで貴重な一冊です。当HPでも多くのものを引用させていただいてます。
abn長野朝日放送「いいね!信州スゴジカラ」12月19日放送【書道のまち長野市篠ノ井の書在地】で当店所蔵の川村驥山扇揮毫「福喜受栄」額と貴重な驥山扇のプライベート8mmが当店元会長夫人のインタビューと供に放映されました。
看板&家宝
「川村驥山扇 揮毫」