●あられ文 断面がV字形をした工具を使って格子状に線を彫りこんで、先の尖ったピラミッド形のカットを一面にあらわしたもの。ダイヤモンド・カットともいう。カットの間隔をせまくして彫られた細かいあられ文を魚子文という。
●色ガラス 発色剤を加え着色したガラス。赤色に金・銅など、黄色に銀・硫黄など、紫色にコバルト・銅など、緑に鉄・クロムなど、乳白にフッ素・錫などが使われる。
●ウランガラス ガラスに微量のウランを混ぜたガラス。1830年頃にボヘミア地方で発明され欧米や日本で数多く製造された。暗闇でも紫外線を当てると妖しく光るのが最大の特徴。 日本では、岩城硝子・島田硝子などにより大正から昭和にかけて量産された。
●エッチングガラス ガラスの表面の装飾技法で、酸などによる腐食(アシッド)や砂による摩擦(サンドプラスト)等で文様を付けること。
●エナメル彩色 ガラスの表面に絵付けしていく技法。顔料としてガラス質の物を使う場合、絵付け後低温で焼成すると溶着し表面と一体化する。
●オパルセントグラス 乳白色の一種で、半透明のオパ-ルのような色調を見せる。調合によっては光の加減で青や黄色味がかってみえる。
●型吹きガラス 金、土、石、石膏、木などでつくられた型の中に、吹き竿の先につけたガラス種を吹き込んで成型する方法。型の内側にある形を忠実に再現し割り型の場合は接合部に稜線が残っている。
●カットグラス(切子) グラインダ-や砥石などを用い表面に切り込みを入れ研磨しながら幾何学的な模様を彫る方法(カッティング)を施されたガラス。日本では切子と呼ばれ、江戸時代からつくられてきた。
●ガラス絵 板ガラスに油彩で描いた彩色画。普通、彩色後焼成はされない。表面に描くので通常の絵とは逆に、近景から描いていく、西欧では18~19世紀に発達し、清時代の中国でも行われた。日本では江戸時代後期に流行した。
●被せガラス(かぶせガラス) 白や透明のガラス生地を、1色または複数の色ガラスで覆うこと。さらにカッティング、グラブィ-ル、エッチングなどの技法で上から被せたガラスを削り取り、文様を施すことも多い。
●キック(上げ底) 滴溜まりのことで、ワインボトルなどのガラス器底部が内側に向かって山形にくぼんでいる形式。僅かにくぼんだものから円錐状のものまでさまざまな種類がある。
●キャスティング(鋳造) 凹型の中に溶けたガラスを流し込んで成型する方法。
●ギヤマン 原語は金剛石を意味するオランダ語”diamant”。ガラス切りに使ったことから、日本では江戸時代の長崎で、特にカットガラスや古渡りガラスを指す言葉として定着した。
●ギルディング(金彩) 金箔や金粉など、金を用いてガラス表面を装飾する技法の総称。
●金赤(紅)ガラス 金によって発色させた、ルビ-のように明るく鮮やかな赤色ガラス。明治時代に品川硝子でおこなわれ、大重仲左衛門が被せガラスにしてグラヴュ-ルを施したみごとな製品を残している。明治大正時代の装飾的なガラスに多く利用されている。
●クラウン法 板ガラスの最も古い製法。吹いたガラスを玉を竿に移し、素早く回転させ、平らな円盤なるまで加熱を繰返しつくる。
●グラブィ-ル(エングレ-ヴイング) ガラスの表面に施す彫刻の総称。方法としてはカッティングと似るが、グラブィ-ルの方がより絵画的な表現が可能。
●クリスタル・ガラス 無色透明のガラスで、天然の水晶に似ている。鉛クリスタル・ガラスともいい、一班には、酸化鉛を少しでも含む高品質のガラスを指す。
●虹彩 ガラスの表面に酸化のために現れた虹色の油膜のことを呼ぶ。江戸時代のガラスに特に顕著。
●腰切子 コップなどによく見られる、容器の下半分に文様を彫ったり平切子を行うもの。
●ゴブレット 酒杯のこと。各種の椀とステムを持つ杯を指す。同じスタイルで蓋を持つものもある。
●コ-ルド・ペインティング ガラス製品の彩色装飾法。成形、徐冷の終わったガラスに彩色後、焼成をおこなわないもの。
●古渡り 外国から入ってきた器、織物、書物などの総称。ガラスの場合、室町時代末、西欧でいう大航海時代から明治10年代までに輸入されたガラスをいう。
●サンドブラスト エッチングの一種でガラス表面に金剛砂という細かい砂を吹き付けて模様を付ける技法。
●徐冷 成形したガラス器を徐々に冷ます工程のこと。ガラス器の熱い部分と薄い部分では冷め方が異なるため、歪が出来るが、それをなくすため徐冷窯を利用したり、灰の中に入れる。
●スタジオ・グラス 1960年代からアメリカを中心に国際的に広まった芸術活動で、それまで工場製品であったガラスを、芸術の分野として見直そうというもの。日本では1978年頃から発展した。
●ステム グラスなどの杯と台の間の脚のこと。
●スティップリング ガラスの表面を先の尖った道具で軽く打ち、小さな斑点(スティプル)によって文様を表す技法。ダイヤモンド・ポイント彫刻の一種
●ソ-ダガラス アルカリ原料として炭酸ソ-ダを用いたガラス。現在の日常的なガラス製品のほとんどはソ-ダガラスでつくられている。なお、ブェネツィアの無色透明のガラス、クリスタッロはソ-ダガラスである。
●宙吹き ガラス容器をつくる技法で、吹き竿の先にガラス種を巻き取り、空中で竿を回しながら息を吹き込んで成型をする。
●ダイヤモンド・ポイント彫刻 ダイヤモンドのような固い素材をペン状の工具の先につけ、表面を彫り、模様を施す技法。
●ツイスト 飲用グラスの特にステムに見られる装飾文様で、管状の空気、あるいは白または色ガラスの棒を用いて、透明なガラスの中に螺旋状の込みの入った文様を表したもの。
●銅赤ガラス 銅の酸化物を加えて発色させた暗い赤色の色ガラス。薩摩切子の赤色はこの銅赤とされる。
●とんぼ玉 装飾を施し紐通し穴をあけたガラス玉。装飾品や副葬品として古代エジプトを皮切りに世界各地でつくられている。日本でも宝飾品として古くから伝わっていたが、とんぼ玉という日本独自の呼び名は、江戸時代に一般的になった。
●鉛ガラス 主成分として酸化鉛を多く含むガラスで、その量が増えるにしたがい光の屈折率、分散率がますのでソ-ダガラスより透明度が高い。フリントがラスともいう。
●パ-ト・ド・ブェ-ル ガラスの粉末に糊料を加えて練ったものを型に入れて焼成する技法。ア-ル・ヌ-ブォ-のガラスで良く用いられた。
●花切子 カットに使うグラインダ-を巧みに使って花模様などを彫ったもので、一見グラブィ-ルのように見えるが、より簡単に模様がつけることが出来る。
●玻璃 仏典の七宝、金、銀、玻璃、瑠璃、珊瑚、瑪瑙、琥珀のうちの1つで無色透明の真珠のこと。青い宝石を指す瑠璃とともに日本ではガラスを意味する古い呼び名であった。
●バリ プレスガラスをつくる際、型の合わせ目に出た余分なガラス部分の俗称。
●ビイドロ(びいどろ) ポルトガル語でガラスを指す”vidro”に由来する。江戸時代のガラスの総称
●火切り 吹き竿から切り離した容器の口縁部などを、窯の火にかざすことで滑らかに仕上げる方法。
●平切子 平摺りのこと。鉄板あるいは回転する砥石の側面に、研磨剤と水をつけながらガラスを押し付けて摺り、平面上のカットを行ったもの。
●ビリ(肌荒れ) プレスガラス製品の1つの欠陥で、表面の皺が寄ったりして平たんでない状態をいう。ガラス種を加工する際の型の温度が不適質な時に発生する。
●フィニアル 装飾的むガラス製品や器の上の玉飾り。蓋の上につく場合が多く、つまみとしての役割もある
●フィリグリ-(レ-スガラス/糸目) 装飾技法の1つ、透明ガラスの中に封じ込められた乳白色または色の付いたガラス糸が非常に繊細な網状の文様を見せる。この技法で作られたガラスをレ-スガラスという。
●プレスガラス(型押しガラス) ガラス容器の型を内側に型取った凹型と凸型を用い、凹型に溶けたガラス種を入れ、凸型で押して成形する。厚くて丈夫な容器になり、大量生産向き。
●ホヤ(火舎) 石油ランプの口金(バ-ナ-)にセットされる筒状のガラス。口金から入った空気を温めて燃焼を助ける重要な役目を持ち、バ-ナ-の種類によって竹ボヤ、いもボヤといった異なる形が使われた。このうえに笠(シェ-ド、グロ-ブ)をかぶせて光を和らげるがこの傘を外ホヤと呼ぶこともあった。
●ポンテ竿 吹きガラスをつくるときに使用する金属棒で、熱いガラスの塊等を先端に付け、吹き竿で吹いたガラスの底を移し取る。吹き竿から切り離した部分を口縁に仕上げ、成形を行い、ガラスが冷え固まった後棒から外すが、その時まるい跡が残る。
●マ-ブルガラス 大理石模様を付けたガラスのこと。不透明な乳白色のガラスに複数の色ガラスを流し込んだものが一般的で、ア-ル・ヌ-ブォ-時代によく制作された。
●まるひだ飾り 短いリブが連続的につながる装飾パタ-ン。17世紀後期に銀器に施された文様。
●水金(みずきん) 陶磁器の上絵付けにも使われる絵の具で、金の塩化物に硫黄、テレピン油などを混ぜたもの。低温で焼成して定着をさせる。
●モザイクがラス モザイク模様を器全体に施されたガラスの総称。
●溶着装飾 ガラスを完全に溶融しない程度に軟化させ、器の表面やステム、口縁部、握手などに装飾を施すこと。
●矢来文 広い間隔で斜めの格子を切り込み、間に地の部分を四角く浅くして竹矢来のような模様をあらわしたカット。
●ラスタ-彩 金属酸化物を含む液体を塗り、還元状態で加熱してガラス面にイリデッセンス(風化現象)させたもの。
●坩堝(るつぼ) ガラスを溶かす耐熱粘土でつくられた容器のこと
和ガラス フォトギャラリー
現在、フォトギャラリ-に掲載しております写真は、大門蔵内の仕分作業中のためまだ一部しかアップされておりません。作業が完了したものから順次アップして参りますので、大変に申し訳ございませんが全品掲載まではもう暫くお待ちください。
詳しくは「善光寺大門蔵
「洋燈考」の著者大谷勝治郎氏からの手紙が、先日5代目篠原基國の遺品のなかから見つかりました。大谷勝治郎氏が長野オリンピック観戦に長野に来られた際に当店のウィンドウに目を止め突然来店をされました。翌春(1999年4月)ご丁重に下さった御礼のお手紙です。
詳細はこちら
洋燈蔵 蔵書:「洋燈考」
本著「洋燈考」は、洋燈、石油ランプの歴史・種類・体系を知るうえで貴重な一冊です。当HPでも多くのものを引用させていただいてます。
abn長野朝日放送「いいね!信州スゴジカラ」12月19日放送【書道のまち長野市篠ノ井の書在地】で当店所蔵の川村驥山扇揮毫「福喜受栄」額と貴重な驥山扇のプライベート8mmが当店元会長夫人のインタビューと供に放映されました。
看板&家宝
「川村驥山扇 揮毫」